水道法に基づく水質検査

水道法の適用範囲

水道
上水道 計画給水人口5,001人以上の水道
簡易水道 計画給水人口101人以上5,000人以下の水道
専用水道 寄宿舎、社宅等における自家用水道で居住人口101人以上、又は生活の用に供する1日最大給水量が20m3を超える水道
簡易専用水道 水道事業の用に供する水道及び専用水道以外の水道であって、水道事業の用に供する水道からのみ給水を受けるもので、受水槽の容量が10m3を超えるもの
飲料水供給施設 給水人口が100人以下の給水施設

水道水質基準について

水道法第４条に基づく水質基準は、水質基準に関する省令（平成15年５月30日厚生労働省令第１０１号）により、定められています。

水道水は、水質基準に適合するものでなければならず、水道法により、水道事業体等に検査の義務が課されています。

水質基準以外にも、水質管理上留意すべき項目を水質管理目標設定項目、毒性評価が定まらない物質や、水道水中での検出実態が明らかでない項目を要検討項目と位置づけ、必要な情報・知見の収集に努めています。

水道事業者は、水質基準項目等の検査について、水質検査計画を策定し、需要者に情報提供することとなっています。

基準等 概要
水質基準項目（51項目）
  • 水道事業者等に遵守義務・検査義務有り
  • 健康関連31項目＋生活上支障関連20項目
  • 重金属、化学物質については浄水から評価値の10%値を超えて検出されるもの等を選定
水質管理目標設定項目（26項目）
  • 水質基準に係る検査等に準じた検査を要請
  • 健康関連13項目＋生活上支障関連13項目
  • 評価値が暫定であったり検出レベルは高くないものの水道水質管理上注意喚起すべき項目
要検討項目（47項目）
  • 毒性評価が定まらない、浄水中存在量が不明等
  • 全47項目について情報・知見を収集

水質基準項目（51項目）

項目 基準値 備考
1 一般細菌 1mlの検水で形成される集落数が100以下
2 大腸菌 検出されないこと
3 カドミウム及びその化合物 カドミウムの量に関して、0.003mg/L以下 平成22年4月 基準値変更
4 水銀及びその化合物 水銀の量に関して、0.0005mg/L以下
5 セレン及びその化合物 セレンの量に関して、0.01mg/L以下
6 鉛及びその化合物 鉛の量に関して、0.01mg/L以下
7 ヒ素及びその化合物 ヒ素の量に関して、0.01mg/L以下
8 六価クロム化合物 六価クロムの量に関して、0.05mg/L以下
9 亜硝酸態窒素 0.04mg/L以下 平成26年4月 新規追加
10 シアン化物イオン及び塩化シアン シアンの量に関して、0.01mg/L以下
11 硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素 10mg/L以下
12 フッ素及びその化合物 フッ素の量に関して、0.8mg/L以下
13 ホウ素及びその化合物 ホウ素の量に関して、1.0mg/L以下
14 四塩化炭素 0.002mg/L以下
15 1,4-ジオキサン 0.05mg/L以下
16 シス-1,2-ジクロロエチレン及びトランス-1,2-ジクロロエチレン 0.04mg/L以下 平成21年4月 変更
17 ジクロロメタン 0.02mg/L以下
18 テトラクロロエチレン 0.01mg/L以下
19 トリクロロエチレン 0.01mg/L以下 平成23年4月 基準値変更
20 ベンゼン 0.01mg/L以下
21 塩素酸 0.6mg/L以下 平成20年4月 新規追加
22 クロロ酢酸 0.02mg/L以下
23 クロロホルム 0.06mg/L以下
24 ジクロロ酢酸 0.03mg/L以下 平成27年4月 基準値変更
25 ジブロモクロロメタン 0.1mg/L以下
26 臭素酸 0.01mg/L以下
27 総トリハロメタン 0.1mg/L以下
28 トリクロロ酢酸 0.03mg/L以下 平成27年4月 基準値変更
29 ブロモジクロロメタン 0.03mg/L以下
30 ブロモホルム 0.09mg/L以下
31 ホルムアルデヒド 0.08mg/L以下
32 亜鉛及びその化合物 亜鉛の量に関して、1.0mg/L以下
33 アルミニウム及びその化合物 アルミニウムの量に関して、0.2mg/L以下
34 鉄及びその化合物 鉄の量に関して、0.3mg/L以下
35 銅及びその化合物 銅の量に関して、1.0mg/L以下
36 ナトリウム及びその化合物 ナトリウムの量に関して、200mg/L以下
37 マンガン及びその化合物 マンガンの量に関して、0.05mg/L以下
38 塩化物イオン 200mg/L以下
39 カルシウム、マグネシウム等（硬度） 300mg/L以下
40 蒸発残留物 500mg/L以下
41 陰イオン界面活性剤 0.2mg/L以下
42 ジェオスミン 0.00001mg/L以下
43 2-メチルイソボルネオール 0.00001mg/L以下
44 非イオン界面活性剤 0.02mg/L以下
45 フェノール類 フェノールの量に換算して、0.005mg/L以下
46 有機物(全有機炭素（TOC）の量) 3mg/L以下 平成21年4月 基準値変更
47 pH値 5.8以上8.6以下
48 味 異常でないこと
49 臭気 異常でないこと
50 色度 5度以下
51 濁度 2度以下
毎月実施（省略不可項目）
３ヶ月毎実施（省略不可項目）
３ヶ月毎実施（過去３年間基準値の1/10以下なら３年に１回、1/5以下なら１年に１回に省略可）
藻類等の発生の恐れが少ない場合は１年に１回、それ以外は毎月実施

水質管理目標設定項目（26項目）

項目 目標値 備考
1 アンチモン及びその化合物 アンチモンの量に関して、0.02mg/L以下 平成26年4月 目標値変更
2 ウラン及びその化合物 ウランの量に関して、0.002mg/L以下(暫定)
3 ニッケル及びその化合物 ニッケルの量に関して、0.02mg/Ｌ以下 平成26年4月 目標値変更
4 1,2-ジクロロエタン 0.004mg/L以下
5 トルエン 0.4mg/L以下 平成23年4月 目標値変更
6 フタル酸ジ(2-エチルヘキシル) 0.08mg/L以下 平成27年4月 目標値変更
7 亜塩素酸 0.6mg/L以下
8 二酸化塩素 0.6mg/L以下
9 ジクロロアセトニトリル 0.01mg/L以下(暫定) 平成21年4月 目標値変更
10 抱水クロラール 0.02mg/L以下(暫定) 平成21年4月 目標値変更
11 農薬類（注） 検出値と目標値の比の和として、１以下
12 残留塩素 1mg/L以下
13 カルシウム、マグネシウム等（硬度） 10mg/L以上100mg/L以下
14 マンガン及びその化合物 マンガンの量に関して、0.01mg/L以下
15 遊離炭酸 20mg/L以下
16 1,1,1-トリクロロエタン 0.3mg/L以下
17 メチル-t-ブチルエーテル 0.02mg/L以下
18 有機物等（過マンガン酸カリウム消費量） 3mg/L以下
19 臭気強度（TON） ３以下 平成22年4月 目標値変更
20 蒸発残留物 30mg/L以上200mg/L以下
21 濁度 １度以下
22 pH値 7.5程度
23 腐食性（ランゲリア指数） －１程度以上とし、極力０に近づける
24 従属栄養細菌 1mlの検水で形成される集落数が2,000以下(暫定) 平成20年4月 新規追加
25 1,1-ジクロロエチレン 0.1mg/L以下 平成21年4月 水質基準から変更
26 アルミニウム及びその化合物 アルミニウムの量に関して、0.1mg/L以下 平成21年4月 新規追加

注：農薬類（水質管理目標設定項目）の対象農薬リスト

項目 目標値（mg/L） 備考
1 1,3-ジクロロプロペン（D-D）（注１） 0.05 平成27年4月 目標値変更
2 2,2-DPA（ダラポン） 0.08
3 2,4-D（2,4-PA） 0.03
4 EPN（注２） 0.004 平成21年4月 目標値変更
5 MCPA 0.005
6 アシュラム 0.2
7 アセフェート 0.006
8 アトラジン 0.01
9 アニロホス 0.003
10 アミトラズ 0.006
11 アラクロール 0.03
12 イソキサチオン（注２） 0.008
13 イソフェンホス（注２） 0.001
14 イソプロカルブ（MIPC） 0.01
15 イソプロチオラン（IPT） 0.3 平成22年4月 目標値変更
16 イプロベンホス（IBP） 0.09
17 イミノクタジン 0.006
18 インダノファン 0.009
19 エスプロカルブ 0.03 平成22年4月 目標値変更
20 エディフェンホス（エジフェンホス、EDDP） 0.006
21 エトフェンプロックス 0.08
22 エトリジアゾール（エクロメゾール） 0.004
23 エンドスルファン（ベンゾエピン）（注３） 0.01
24 オキサジクロメホン 0.02 平成26年4月 目標値変更
25 オキシン銅（有機銅） 0.03 平成27年4月 目標値変更
26 オリサストロビン 0.1 平成26年4月 目標値変更
27 カズサホス 0.0006 平成26年4月 目標値変更
28 カフェンストロール 0.008
29 カルタップ（注４） 0.3
30 カルバリル（NAC） 0.05
31 カルプロパミド 0.04
32 カルボフラン 0.005
33 キノクラミン（ACN） 0.005
34 キャプタン 0.3
35 クミルロン 0.03
36 グリホサート（注５） 2
37 グルホシネート 0.02 平成26年4月 目標値変更
38 クロメプロップ 0.02
39 クロルニトロフェン（CNP）（注６） 0.0001
40 クロルピリホス（注２） 0.003 平成21年4月 目標値変更
41 クロロタロニル（ＴＰＮ） 0.05
42 シアナジン 0.004
43 シアノホス（CYAP） 0.003
44 ジウロン（ＤＣＭＵ） 0.02
45 ジクロベニル（DBN） 0.01
46 ジクロルボス（DDVP） 0.008
47 ジクワット 0.005
48 ジスルホトン（エチルチオメトン） 0.004
49 ジチアノン 0.03
50 ジチオカルバメート系農薬（注７） 0.005（二硫化炭素として） 平成26年4月 目標値変更
51 ジチオピル 0.009 平成22年4月 目標値変更
52 シハロホップブチル 0.006
53 シマジン（CAT） 0.003
54 ジメタメトリン 0.02
55 ジメトエート 0.05
56 シメトリン 0.03
57 ジメピペレート 0.003
58 ダイアジノン（注２） 0.005
59 ダイムロン 0.8
60 ダゾメット（注８） 0.006
61 チアジニル 0.1 平成26年4月 目標値変更
62 チウラム 0.02
63 チオジカルブ 0.08
64 チオファネートメチル 0.3
65 チオベンカルブ 0.02
66 テルブカルブ（MBPMC） 0.02
67 トリクロピル 0.006
68 トリクロルホン（DEP） 0.005 平成26年4月 目標値変更
69 トリシクラゾール 0.08
70 トリフルラリン 0.06
71 ナプロパミド 0.03
72 パラコート 0.005
73 ピペロホス 0.0009
74 ピラクロニル 0.01 平成26年4月 目標値変更
75 ピラゾキシフェン 0.004
76 ピラゾリネート（ピラゾレート） 0.02
77 ピリダフェンチオン 0.002
78 ピリブチカルブ 0.02
79 ピロキロン 0.04
80 フィプロニル 0.0005 平成20年4月 新規追加
81 フェニトロチオン（MEP）（注２） 0.003
82 フェノブカルブ（BPMC） 0.03
83 フェリムゾン 0.05
84 フェンチオン（MPP）（注９） 0.006
85 フェントエート（PAP） 0.007
86 フェントラザミド 0.01 平成26年4月 目標値変更
87 フサライド 0.1
88 ブタクロール 0.03
89 ブタミホス（注２） 0.02 平成23年4月 目標値変更
90 ブプロフェジン 0.02
91 フルアジナム 0.03
92 プレチラクロール 0.05 平成23年4月 目標値変更
93 プロシミドン 0.09
94 プロチオホス 0.004
95 プロピコナゾール 0.05
96 プロピザミド 0.05
97 プロベナゾール 0.05
98 ブロモブチド 0.1 平成22年4月 目標値変更
99 ベノミル（注１０） 0.02
100 ペンシクロン 0.1 平成23年4月 目標値変更
101 ベンゾビシクロン 0.09 平成26年4月 目標値変更
102 ベンゾフェナップ 0.004
103 ベンタゾン 0.2
104 ペンディメタリン 0.3
105 ベンフラカルブ 0.04
106 ベンフルラリン（ベスロジン） 0.01
107 ベンフレセート 0.07
108 ホスチアゼート 0.003
109 マラチオン（マラソン）（注２） 0.05
110 メコプロップ（MCPP） 0.05 平成26年4月 目標値変更
111 メソミル 0.03
112 メタム（カーバム）（注８） 0.01 平成26年4月 目標値変更
113 メタラキシル 0.06 平成23年4月 目標値変更
114 メチダチオン（DMTP） 0.004
115 メチルダイムロン 0.03
116 メトミノストロビン 0.04
117 メトリブジン 0.03
118 メフェナセット 0.02 平成22年4月 目標値変更
119 メプロニル 0.1
120 モリネート 0.005

注１）1,3-ジクロロプロペン（D-D）の濃度は、異性体であるシス-1,3-ジクロロプロペン及びトランス-1,3-ジクロロプロペンの濃度を合計して算出すること。

注２）有機リン系農薬のうち、EPN、イソキサチオン、イソフェンホス、クロルピリホス、ダイアジノン、フェニトロチオン（MEP）、ブタミホス及びマラチオン（マラソン）の濃度については、それぞれのオキソン体の濃度も測定し、それぞれの原体の濃度と、そのオキソン体それぞれの濃度を原体に換算した濃度を合計して算出すること。

注３）エンドスルファン（ベンゾエピン）の濃度は、異性体であるα―エンドスルファン及びβ―エンドスルファンに加えて、代謝物であるエンドスルフェート（ベンゾエピンスルフェート）も測定し、α―エンドスルファン及びβ―エンドスルファンの濃度とエンドスルフェート（ベンゾエピンスルフェート）の濃度を原体に換算した濃度を合計して算出すること。

注４）カルタップの濃度は、ネライストキシンとして測定し、カルタップに換算して算出すること。

注５）グリホサートの濃度は、代謝物であるアミノメチルリン酸（AMPA）も測定し、原体の濃度とアミノメチルリン酸（AMPA）の濃度を原体に換算した濃度を合計して算出すること。

注６）クロルニトロフェン(CNP)の濃度は、アミノ体の濃度も測定し、原体の濃度とアミノ体の濃度を原体に換算した濃度を合計して算出すること。

注７）ジチオカルバメート系農薬の濃度は、ジネブ、ジラム、チウラム、プロピネブ、ポリカーバメート、マンゼブ（マンコゼブ）及びマンネブの濃度を二硫化炭素に換算して合計して算出すること。

注８）ダゾメット及びメタム（カーバム）の濃度は、メチルイソチオシアネート（MITC）として測定し、原体に換算して算出すること。

注９）フェンチオン（MPP）の濃度は、酸化物であるMPPスルホキシド、MPPスルホン、MPPオキソン、MPPオキソンスルホキシド及びMPPオキソンスルホンの濃度も測定し、フェンチオン（MPP）の原体の濃度と、その酸化物それぞれの濃度を原体に換算した濃度を合計して算出すること。

注１０）ベノミルの濃度は、メチル―２―ベンツイミダゾールカルバメート（MBC）として測定し、ベノミルに換算して算出すること。


※対象農薬リスト掲載農薬類は120物質（農薬についての説明は厚生労働省 農薬の考え方についてをご覧ください）

要検討項目と目標値（４７項目）

毒性評価が定まらないことや、浄水中の存在量が不明等の理由から水質基準項目、水質管理目標設定項目に分類できない項目です。

項目 目標値（mg/L）
1 銀及びその化合物 ―
2 バリウム及びその化合物 0.7
3 ビスマス及びその化合物 ―
4 モリブデン及びその化合物 0.07
5 アクリルアミド 0.0005
6 アクリル酸 ―
7 17-B-エストラジオール 0.00008（暫定）
8 エチニル―エストラジオール 0.00002（暫定）
9 エチレンジアミン四酢酸（EDTA） 0.5
10 エピクロロヒドリン 0.0004（暫定）
11 塩化ビニル 0.002
12 酢酸ビニル ―
13 2,4-ジアミノトルエン ―
14 2,6-ジアミノトルエン ―
15 N,N-ジメチルアニリン ―
16 スチレン 0.02
17 ダイオキシン類 1pgTEQ/L（暫定）
18 トリエチレンテトラミン ―
19 ノニルフェノール 0.3（暫定）
20 ビスフェノールA 0.1（暫定）
21 ヒドラジン ―
22 1,2-ブタジエン ―
23 1,3-ブタジエン ―
24 フタル酸ジ（n―ブチル） 0.01
25 フタル酸ブチルベンジル 0.5（暫定）
26 ミクロキスチン-LR 0.0008（暫定）
27 有機すず化合物 0.0006（暫定）(TBTO)
28 ブロモクロロ酢酸 ―
29 ブロモジクロロ酢酸 ―
30 ジブロモクロロ酢酸 ―
31 ブロモ酢酸 ―
32 ジブロモ酢酸 ―
33 トリブロモ酢酸 ―
34 トリクロロアセトニトリル ―
35 ブロモクロロアセトニトリル ―
36 ジブロモアセトニトリル 0.06
37 アセトアルデヒド ―
38 MX 0.001
39 キシレン 0.4
40 過塩素酸 0.025
41 パーフルオロオクタンスルホン酸（PFOS） ―
42 パーフルオロオクタン酸（PFOA） ―
43 N-ニトロソジメチルアミン（NDMA） 0.0001
44 アニリン 0.02
45 キノリン 0.0001
46 1,2,3-トリクロロベンゼン 0.02
47 ニトリロ三酢酸（NTA） 0.2
【参考】　厚生労働省　水道水質基準について 厚生労働省　水道水質基準について
ページトップへ戻る
お気軽にお問い合わせ下さい

TEL 096-388-1222

FAX 096-388-7511

営業時間：8:30〜17:30（日・祝除く）